アイルランドの世界遺産

アイルランドには3つの世界遺産があります。

ニューグレンジ
Newgrange

アイルランド東部、ダブリンから60kmほど北西に貴重な古墳群があり、そのあたりを世界遺産として1993年に登録されました。そのなかで一番大きな古墳がニューグレンジ
です。ピラミッドよりも古く、5000年前以上のものです。単なる古墳ではなく、アーチ型の天井を持つ世界で最も古い建造物であり、すぐれた工法を持ち、全て石の板や柱で作られており、石の重さは20万トンほど、作られてから5000年以上もの間一度も雨水が入っていないほど防水もしっかりしています。天文学的にも驚異的であり、入り口から墓に続く通路の上部にある小さな窓から、1年に1度、1年で最も日の短い冬至に太陽の光が墓室に差し込むように設計されています。これは、そのころ太陽が神の位置にあったからではと考えられています。ニューグレンジとはアイルランド語で太陽の洞くつという意味です。
スケリック・マイケル
Skellig Micheal

アイルランド南西部、ケリ−から沖合い10kmほどのところに小さな岩の島があり、スケリグ・マイケル、別名グレートスケリグとも呼ばれています。高さ218mの岩礁であり、頂上近くに1400年前の小さな修道院がその当時とほとんど同じ形で残っています。2300段もの石段が断崖の急斜面を這うように修道院に続いています。頂上には、2つの礼拝堂と6つの僧坊があり、修道士たちはそこで瞑想にるけり祈りをささげていました。ヨーロッパのかつての修道生活を伝える貴重な建造物であり、ヨーロッパに現存する初期キリスト教修道院の中で最も古いとされています。あたりをとりまく自然環境の厳しさにおいては他に例がなく、謎に包まれている部分が未だに多く、1996年に世界遺産として登録されました。
ジャイアンツ・コーズウェイ
Giant's Causeway

ノーザンアイルランドの北の海岸に、摩訶不思議な六角形の柱群があります。この石畳がジャイアンツコーズウェイと呼ばれ、世界的にも奇景として知られています。
6100万年前に地殻変動があり、マグマが流れだし、固まってこのあたりに堆積し台地を作りました。その後またマグマが噴き出して、冷えて、さらに堆積していきました。それからの1万5千年前に氷河期が訪れ、氷が台地を削っていき、今の奇妙な形ができあがりました。
アイルランドは神話や伝説の多い国ですが、このジャイアンツコーズウェイに関しても例外ではなく、沢山の伝説が残っています。なかでも、フィン・マッコールという巨人が、スコットランドのヘブリディーズ諸島に住む女性に恋をして、彼女をアイルランドに渡らせるために作ったと伝えられていますが、他にもいろいろな説があります。